エヌの解放

40代独身女の適当な日常です。

安心感の上に成り立つ孤独。

私が一人暮らしをはじめたのは今から5年前の35歳の時。

かなり遅いスタートでした。

結婚もしていないし、職場も実家から近い。親との関係もすこぶる良好。実家を出る理由が特になかったんです。しかしある時、父親と人生最大の大喧嘩をしまして、父親にこう言われたんです。

「俺の金で食ってるんだから、俺の言うことを聞け」

たぶん、売り言葉に買い言葉だったのだと思います。

でも、その通りっちゃあ、その通りなのかな。私は人を養ったことがないので、父の気持ちは想像することしかできないけど、そう言いたくなる気持ちはわからなくはないです。浪人までさせてやって大学行かせてやったのに、一度も正社員にならずに適当に働き、かと言って結婚して子どもを産むでもなく、趣味にお給料の大半を注ぎ込む娘。なんか、何のために産んだんだろうって思いません? 私は人の親になったことがないので、人の親の感情がわからないんですが、こういう娘を持った親はどんな気持ちなんでしょうか。ときどき虚しくなったりはしないだろうか、、、。そう思うのは、私自身が心のどこかで、結婚なり、仕事での成功なりを「幸せ」と考えているからでしょうか。幸せの形は色々あるのに、しかも私は十分恵まれているのに、私自身がそれを有り難いと思えないなんて、愚かな人間だな、と。

そんな父親との大喧嘩と、あとちょっと恋愛も絡んでいたりして(既にその恋愛は終っていますが)、35歳にして一人暮らしを始めることになったんです。

そりゃあもう楽しかったです。

徐々に自分の城が完成していくようで、毎日部屋のことばかり考えていました。どこへ出かけても生活必需品やインテリアを見るようになったし、模様替えが上手くいくとテンションが上がりました。そして予定のない休日、珈琲とお茶菓子を用意して好きなDVDを見ているときなど、この上ない自由を感じました。もともと干渉する親ではなかったので、実家でも特に不自由を感じたことはなかったんですが、それとは種類の違う自由でした。でもそれは、本当に天涯孤独ではないから感じることができる幸せなんですよね。安心感の上に成り立つ孤独は心地がいいものです。お一人様が楽しいのは、本当の意味で独りではないからなんじゃないかな、と。

でも、どんなに自分の城を充実させても、「仮の住まい」という感じが抜けません。

それはやはり、実際に仮の住まいだからだと思います。どうやら結婚もしそうにないので、いずれ実家に戻るような気がしています。両親のどちらかが介護が必要になったり、あるいは一人になってしまったら、帰るんじゃないかな、と。まあ、向こうが必要ないと言えば別ですが。姉は結婚して子どもを産み、都内にマンションを買おうとしているので、たぶん戻ってこない。

まあ、姉が離婚するかもしれないし、私だってこれから結婚するかもしれないし(しないと思うけど)、どうなるかはわからないけど、今のところ家族中が、たぶん私が実家に戻るだろうと思っていると思います。

因みに、実家から電車で一駅のところに住んでいます。これを人に言うと、

「はぁ?なんで?そんな一人暮らしに何の意味があるの?」とか、

「意味な~い(笑)」などと言って笑われます。

大きなお世話です。

そんな時は「ですかね~」と笑いながら、心の中で「うるせぇ」と思ってます。

 

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