エヌの解放

40代独身女の適当な日常です。

舞台の余韻は大事に抱えながら帰ります。

昨日は渋谷にバレエを見に行きました。

オレリー・デュポンが踊る『ボレロ』が注目の、東京バレエ団のトリプル・ビル『ウィンター・ガラ』です。私の目的はどちらかというと東京バレエ団の演目なんですが、もちろんオレリー・デュポンもとても好きです。彼女はパリ・オペラ座バレエ団を定年で退団し(ダンサーとしては引退していません)、現在は同団の芸術監督を務めています。等身大の彼女が垣間見えるような、美しい『ボレロ』でした。

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会場はBunkamuraオーチャードホールだったんですが、バレエファンにはあまり評判の良くない会場です。私に関して言えば、迷っている公演の場合、「オーチャードだったら見に行くのやめようかな」とまで思ってしまいます。もちろんそういう公演は、それほど見たい公演ではないわけで、どうしても見たいものはやはり見に行きますが。前方の段差が緩やかで、しかも舞台が高いので、前の人の頭で舞台が遮られてしまうんです。足元が見えないのはバレエにとっては厳しい。下手をすると、足元どころがダンサーの頭まですっぽり見えないこともあり、非常にストレスなんです。とはいえ、あまり左右に頭を振って舞台を見るのは、後ろの人に迷惑がかかるのでできないし。見えない部分は諦めるしかありません。なので、オーチャードホールでバレエを見る際は、席取りに非常に神経を使います。最近は、座席表を見ながら希望の席を選択できるシステムが増えているので、その辺は本当に有り難いです。席もわからずオーチャードホールのバレエ公演のチケット取るなんて、今ではもう怖くてできないかも(苦笑)。

私がオーチャードホールが苦手な原因は、「渋谷」という街にもあると思います。とにかくホールまでの道のりが辛い。渋谷自体は嫌いではないはずなんですが、あの年中お祭のような人ごみが辛いんですよね、、。お茶を飲もうにもどこも混雑していて、何軒か回ってようやく座れたり。オーチャードホールでバレエを見るときによく行っていたパスタ屋がなくなってしまったのも悲しい。2階にあったそのお店の、窓に面したカウンター席に座って、人々の往来を見るのはとても好きでした。

終演後はいつも、会場を出ると一瞬で吹き飛びそうになる舞台の余韻を、消えないように大事に抱えながら帰る私です。