エヌの解放

40代独身女の適当な日常です。

心が狭いんで!

私の趣味はバレエ鑑賞なわけですが、このコロナ禍で、来日系の公演は軒並み中止という状態が未だ続いています。来年3月に日本公演を予定していたドイツのバレエ団が、既に日本公演の中止を発表しています。カンパニーの来日はもちろん、ゲストダンサーや海外の振付家、スタッフなどが必要となれば、やはり中止せざるを得ないという状況です。中には、海外の振付家が来日を果たし、指定の自粛期間を過ごし、バレエ団に合流して振付作業を開始しているカンパニーもありますが。

まだまだ厳しい状況の中、国内のバレエ団は公演を再開しています。それはバレエに限ったことではなく、舞台芸術は動き始めています。

私の趣味は職場の上司にもバレていますので、「バレエ、見に行ってないよね?」と釘を刺されています。感染拡大の初期、新宿の小劇場でクラスターが発生したのを覚えていますでしょうか。その話を持ち出して、私に「舞台鑑賞は控えるように」と釘を刺してきたわけです。

そんな上司が、同僚を連れて3~4人で焼肉を食べに行ったって言うんですよ。それも2回も。私にバレエ鑑賞は控えろって言っておいて? どの口が言ってるわけ? 悪いけど、バレエ鑑賞より会食の方が感染リスクは高いですよ。私は誰ともしゃべらず、飲食も一切せず、バレエだけ見て帰ってくるわけですから。飲食店に入らないどころか、ペットボトルの飲み物さえ飲まないですよ。ええ、ええ、もちろん、それだって感染のリスクはあるとは思いますよ? でも、ですよ。焼肉に行っている(しかも2回も)人間に、バレエ見に行くななんて言われたくないんですよね~。

だいたい、あの新宿の小劇場のクラスターは、舞台関係者はもちろん、舞台芸術を愛する多くの人間が怒っています。舞台芸術全般に興味のない人の中には、それだけで「舞台鑑賞は危ない」とインプットされてしまった人もいると思います。当然、私の上司はそういう人間ですから、頭ごなしに否定してきたわけです。きちんと情報を精査することもせずに。

気持ちはわかりますよ。私だって自分の知らない世界のことはよくわからないし、調べる気も起きないかもしれない。それに私は、外食をするなと言っているのではないんです。人にバレエ鑑賞を控えるように言っておいて、よく焼肉に行ったとか私に言えるな~と思っているだけです。腹が立つから、せめて私には内緒にしておいてくれよ。

 もう一度言っておきますが、外食をするなとか、旅行に行くなと言っているのではありません。新しいルールの下で、新しい生活様式を模索していくことが大事なんじゃないかと思っています。私にとってバレエ鑑賞が生き甲斐であるように、人と交流することや仲間と時間を過ごすこと、そういうことが生き甲斐という人がいることもわかっているつもりです。人の生き甲斐を否定するつもりはありません。私の上司だって、今までとは違うルールで会食をしたのだと思います。ただ! 私には言わないでほしいです。私は心が狭いんで!